特定の条件を満たしたときに、どこかに自動でメッセージを残したい!
- 会社を出たら家族に「今から帰る」と自動連絡したい
- 子供が塾に着いたら、「到着通知」を受け取りたい
- スマホのバッテリーが減ったら、「ログ」を残したい
スマホとDiscordを使えば、プログラミング知識ゼロ・スマホのみでこれが実現できる。
使うのは、スマホの操作を自動化できるアプリ「MacroDroid(マクロドロイド)」だ。 簡単にいうと、「〇〇のとき△△する」を自動でしてくれるアプリだ。
この「△△する」の部分に、「Discordでメッセージを送信する」仕組みを組み込んだ。
なぜLINEやメールじゃなくDiscordなのか

通知先の候補としてはLINEやメールも考えたが、今回はDiscordを選んだ。理由は2つ。
- 自動化専用の通知窓口を、普段使いのLINEやメールと分けられる(通知がごちゃつかない)
- Webhookという仕組みを使えば、Bot開発の知識がなくても無料でメッセージを送り込める
自分専用のDiscordサーバーを1つ作って、そこを「自動化の通知置き場」にしてしまうのが一番手軽だった。
できること
今回作るのは、MacroDroidのトリガー(〇〇のとき)が発動したら、Discordに自動でメッセージが飛んでくる、というシンプルな仕組みだ。
動作確認をしやすいように「Wi-Fiに接続したら通知する」というトリガーで例を進めるが、トリガー部分は何にでも差し替え可能だ。
会社のWi-Fiから切断されたら、バッテリーが10%以下になったらなど、冒頭で挙げた「帰宅連絡」「到着通知」「バッテリーログ」も、すべてこの型のトリガーを差し替えるだけで実現できる。
必要なもの
- スマホ:Android
- アプリ:MacroDroid(無料版でOK)
- アプリ:Discord
事前準備はこれだけ。ここから実際の設定に入る。
はじめてMacroDroidをさわる場合は、入門記事を読めば大体どのようなものかわかると思う。



Discord側の設定手順

スマホ1台で完結させるため、アプリとWeb(ブラウザ)を使い分けながら、5ステップで進めていく。
1. アカウントを作成する(アプリ)
まずはスマホのDiscordアプリをインストールし、アカウントを作成する。サクッと登録を済ませよう。特につまるところはないはず。
2. 通知用サーバーを作成する(アプリ)
自分専用の「通知置き場」となるサーバー(LINEグループみたいなもの)を作成する。
3. 通知用チャンネルを作成する(アプリ)
サーバーの中に、自動通知を流すための専用チャンネル(例:#通知用 など)を作成する。
初期のチャンネルをそのまま使用してもOK
4. ウェブフックを作成する(Web)
※ここが最大の注意点
ブラウザでログインするとアプリに切り替わってしまう場合は、リンクを長押しして「新しいタブで開く」または「シークレット タブで開く」をタップする。
サーバーに移動して、メニューから「サーバー設定」を選択する。

「連携サービス」 > 「ウェブフック」 > 「新しいウェブフック」ボタン の順にタップする
これで新しいウェブフック(Bot)が自動で追加される。
Botの設定(名前・チャンネル)をする。
アイコン・名前: 好きなものに変更(そのままでもOK)
チャンネル: メッセージを送信したいチャンネルを指定する
アイコン・名前・チャンネルは、後からスマホアプリでも変更可。
5. ウェブフック URLをコピーする(アプリ)
ウェブフックさえ作ってしまえば、URLのコピーは使い慣れたスマホアプリからでも可能だ。
サーバーに移動して、メニューから「設定」を選択する。
「連携サービス」 > 「ウェブフック」 > 「作成したウェブフック」の順にタップする
発行された「ウェブフックURLをコピー」をタップして控えておこう。

MacroDroid側の設定手順(アクションブロックの作成)

今回は、後から使い回せるように、「アクションブロック」という機能を使って「Discord送信用の部品」を作成する。
MacroDroidアプリを開き、以下の手順で進めていこう。
① アクションブロックの新規作成と変数設定
- MacroDroidのトップ画面から「アクションブロック」を開き、新規作成(+)をタップする。
- アクションブロックに好きな名前(例:
Discordメッセージ)をつける。 - 「入力変数」の新規作成(+)をタップする。
- 変数名:
message - 変数の種類:
文字列
- 変数名:

② アクション(HTTPリクエスト)の追加
アクションの「+」ボタンをタップするとアクションの追加が開かれる。
「WEB操作」 > 「HTTPリクエスト」 を選択して、以下のように設定する。
設定タブ
- リクエストメソッド:
POST - URLを入力: 先ほどDiscordでコピーした「ウェブフックURL」をそのまま貼り付ける。

コンテントボディタブ
- コンテントタイプ(MIMEタイプ):
application/jsonを選択する。 - コンテントボディを入力:
{"content":"{lv=message}"}
※入力した {"content":"{lv=message}"} は、先ほど作った入力変数(送りたいメッセージ内容)に自動で置き換わる仕組みだ。
設定できたら、アクションブロックを保存する。
マクロを作成して通知を飛ばす
作成した「Discordメッセージ」のアクションブロックを、実際にマクロに組み込んで動かしてみよう。
今回は動作確認がしやすいように、「特定のWi-Fiに接続したら通知する」という設定を例にする。
① トリガー(〇〇なら)を設定する
- MacroDroidのトップ画面から「マクロを追加」をタップする。
- マクロに好きな名前(例:
帰宅通知など)をつける。 - トリガーの「+」をタップし、「通信」 > 「Wi-Fi接続時」 を選択する。
- 自宅のWi-Fi(または職場のWi-Fiなど、テストしやすいもの)を選択する。
② アクション(△△する)で部品を呼び出す
- アクションの「+」をタップし、「マクロ」 > 「アクションブロック」 を選択する。
- 先ほど作った
Discordメッセージを選択する。 - 変数
messageの入力欄が表示されるので、Discordに送信したい文章を入力する。

マクロ全体がこのようになっていればOK

マクロを保存すれば、すべての設定が完了だ。
③ 送信テストしてみよう
マクロのメニューから「アクションを試す」を選択する。
正常ならこれだけでDiscordに指定したメッセージが届く。

あとはトリガーを差し替えるだけ

これで「Wi-Fiに繋がったら、指定したメッセージがDiscordに自動で飛ぶ」という仕組みが完成した。
この方法の素晴らしいところは、手順②のアクションブロックは一切いじらずに、手順①のトリガー(〇〇なら)を好きな条件に変えるだけで、別の自動化通知が量産できる点だ。
- 会社を出たときに連絡したいなら: トリガーを「Wi-Fi切断時(会社のWi-Fi)」にする
- バッテリーログを取りたいなら: トリガーを「バッテリー残量変化(10%以下など)」にする
- 子供の到着を知りたいなら: 子供のスマホにこのマクロを入れ、トリガーを「ジオフェンス(塾の半径〇〇mに進入時)」にする
身の回りの「めんどくさい」に合わせて、色々なトリガーを試してみてほしい。
好きなメッセージも絵文字も思いのまま!

この仕組みの何より嬉しいところは、日本語の文字化けなども一切なく、自分が送りたいメッセージを100%そのまま送信できる点だ。
もちろん、絵文字だってバッチリ送れる。
- 🚗 車から降りました!
- 🏠 帰宅しました!
- 🚨 バッテリー残量が少なくなっています! [10%]
メッセージの先頭に絵文字を少し添えるだけで、Discordの画面がグッと見やすくなり、自分専用の「ログ画面」を育てる楽しさも跳ね上がる。
通知を受け取る側はiPhoneでもPCでも何でもOK!

このシステムのもう一つの大きな強みは、「通知を受け取る側の端末を選ばない」という点だ。
自動化の仕込み(MacroDroid)自体はAndroidスマホで行うが、Discordさえ入っていれば、受け取る側は何でもいい。
- 家族のiPhone(「今から帰る」の自動連絡をiPhone持ちの家族に送れる)
- 自分の作業用PC(仕事中にスマホを見なくても、画面の隅でログを確認できる)
- iPadやタブレット
送る側はAndroidで仕組みをガチっと固め、受け取る側はいつもの端末でスマートに通知を見る。この自由度の高さも、LINEやメールを超えてDiscordを選ぶ大きなメリットだ。
つまずいたポイント
正直、大きくハマった箇所は少なかった。強いて挙げるならこの3つ。
Webhookはアプリから作れない
スマホのDiscordアプリだけで完結させようとして、最初どこを探してもWebhookの新規作成ボタンが見つからなかった。結論、Webhookの「作成」だけはブラウザ版(PC版サイト表示)でないとできない。URLのコピーはアプリからでもできるので、作成の瞬間だけブラウザに切り替えれば十分。
{"content":"{lv=message}"} の書き方
変数の埋め込み方を間違えたりすると、Discordが無反応になる。{lv=message}でアクションブロックの入力変数を差し込む、という書式さえ覚えてしまえば、あとはコピペで使い回せる。
通知が来ないと思ったらDiscordアプリが開きっぱなしだった
テスト中、何度送っても通知が来なくて焦ったが、原因はDiscordアプリが開きっぱなしにしていたこと。アプリを開いている間はプッシュ通知が抑制される。アプリを閉じた状態で試したら、あっさり通知が来た。
